夏の終わり、秋の始まり頃にシャツ類を数型展開致します。
いつもBISHOOLのウールギャバジンを織って頂いている尾州の生地屋にて、
写真の生地と出会いました。
私たちBISHOOLは、基本的に毛織物(ウール)の産地である「尾州」の生地を使用しているため、綿(コットン)のシャツ生地と出会う機会は多くありません。
コットン生地のシャツはおよそ2年前に制作して以来、一度も展開出来ていませんでした。
そのような環境下で出会った写真のシャツ地。
生地屋の倉庫に眠っていた、10年以上も前の生地です。
コットン(92%)リネン(8%)の超高密度タイプライター。
タイプライターとは、一般的に、長繊維で細い高級綿(コットン)糸を高密度で織り上げられた平織りの生地を指します。
生地との出会いは尾州ですが、生産されたのは綿織物の産地である遠州(静岡県)。
10年以上前の、非常に高品質なコットン糸が手に入った時代に織られており、
現代に流通するコットン糸ではこれほどまでに高密度に織ってしまうと繊維が切れてしまい、再現することができないとのことです。
超細番手糸であると、糸が細いため、太い糸の数倍の本数が必要になる。
もちろん、細ければ細いほど繊維が切れるリスクも増える。
超高密度にすると、その密度を高めれば高める程、多量の糸が必要になる。
最高品質の糸を贅沢に使用して織られた生地です。
超高密度ゆえ、肉眼では織り柄が確認できない程の生地表面。
この生地は、タイプライターの特徴である程よいハリ感を持ちながら、ふくらみと柔らかさを持ち合わせています。
ハリのある生地はどこか着心地が良くない印象を持たれているかと思いますが、そんなことはないと教えてくれる様な生地。
薄手で軽い、そのため、BISHOOLの様な生地分量の多い衣服でもストレス無く着用して頂けます。
最も魅力的な点は、シワを美しく魅せる生地の風合い。
独特なシワが味になる様な、そんな生地です。
倉庫に眠っていた、こちらの生地。
全てBISHOOLで購入させて頂きました。
現代では基本的に出会うことの出来ない生地。
大切に使っていきます。
衣服に仕立て、8月ごろに紹介出来るかと思います。