衣服の質についてお話しする際の要素の一つであるボタン。
メインで使用しているウール生地の衣服には、本水牛ボタンを使用しています。
本水牛ボタンにはついては、過去のJOURNALでお話ししておりますのでこちらをご覧ください。
次の季節には本水牛ボタンに加えて、新たに2種類準備しております。
1種目はトグルボタン。
素材は同様に本水牛の角。
角一本に対して一つしか取れない、非常に貴重なボタンです。
ダッフルボタンには水牛の角先が使用されるため、皮がついております。
その皮は、人工物ではない「本物」の証。
素材本来の味が出ていて大変素敵な雰囲気を醸し出します。
ただ、その素材本来の、自然的な風合いが強すぎてBISHOOLの黒の衣服との相性に疑問を感じてしまいました。
日頃よりお世話になっている釦職人に相談したところ、
トグルボタン1つ1つの皮を丁寧に取ることで面積のほとんどが黒のトグルボタンに仕上げることが可能であるとのこと。
BISHOOLではこの、職人が1点1点加工した、黒の本水牛トグルボタンを使用します。
世の中に一般的に出回っているトグルボタンは、プラスチックや、水牛に似せたナイロン樹脂等の人工物。
その差は、実際に見比べると明確。
一言で言うと「重厚感」
全く異なります。
希少な水牛トグルボタンに更に一手間加えた拘りのボタン。
楽しみにお待ち頂けましたら幸いです。
二種目は本白蝶貝ボタン。
貝を素材としたボタンの中でも最高級と言われる、
非常に繊細で上品な印象を与えるボタンです。
その本白蝶貝ボタンの中でも、厚さによって価値が大幅に変動します。
貝が自然物である故に、厚さが異なり、厚いものであればある程希少であるためです。
量販店に並ぶ一般的なシャツはそもそも貝ボタンではなく、人工的なプラスチックボタンが使用されています。
量販店より少し高価なシャツに使用されるのは高瀬貝ボタンという、輝き、透明度では白蝶貝には及ばないながらも自然物である「貝」から作られるボタン。
高瀬貝ボタンは白蝶貝ボタンと比べると1/4程の価格で取引されています。
ボタンに拘るブランドは白蝶貝のボタンを使用します。
白蝶貝ボタンを使用するブランドのほとんどが2mmの厚さのものを、
より拘るブランドは3mmの厚さのものを。
2mmと3mmではおよそ倍の価格差があります。
BISHOOLではそれより更に厚みを増した4mm厚の本白蝶貝ボタンを採用することに決めました。
厚みが増すことによるメリットの一つは、強度面。
貝である以上、衝撃によって割れ・欠けが起こってしまいます。
今までにシャツのボタンが割れてしまった、という経験はないでしょうか。
ボタン自身の厚みが増せばおのずと強度が高まり、割れ・欠け辛くなります。
ボタンが一つでも欠けてしまうと、自然と着用する機会が減ってしまうのではないでしょうか。
(もし、今までにBISHOOLの衣服でボタンが割れてしまった、という方みえましたらお気軽にご連絡ください。少しお時間を頂いてしまいますが郵送にてお届け致します)
長く着用する1着であって欲しい以上、私たちはボタンの強度面を大切に捉えています。
もう一つのメリットは、ひと目で高級ボタンと分かる圧倒的な存在感。
シャツにおいて、ボタンの持つ影響力は思いの外大きい。
折角BISHOOLの衣服をお選び頂けるのなら、「素敵な服」とご本人はもちろん、周りの方にも感じて頂きたい。
3mmでも十分な厚みがありますが、4mmを選んだ理由は、
釦職人に「超が付くほど貴重な4mm厚のボタンを」と提案頂いたため。
BISHOOL設立当初から信頼してボタンを手掛けて頂いている職人にとって、最高のボタンを使用したい。
その想いからです。
BISHOOLでは昨日のJOURNALでお話ししたコットンリネンの白シャツに使用します。
仕上がり次第、お伝えさせて頂きます。