現在、初めての帽子(Hat)を制作しております。
私が日常で帽子を被らないものだから、
現在まで作ってきませんでした。
「帽子を被る理由」
とは何でしょうか。
夏場の日焼け避け、冬の防寒は想像が付きやすい。
日焼けを避けるためには直射日光を遮る必要があるから、
ツバがしっかりとあるものを、
冷える冬には暖かなニット素材のものや、
耳まで覆えるものを、
といった季節に応じた理由。
他には雨具としてのレインハット、
サウナで髪の毛が暑くなるのを防ぐサウナハット、
就寝時に髪の毛を乱さないためのナイトキャップ、
等の実用性によるもの。
身長の低いカウボーイが自分を大きく見せようとして被ったテンガロンハットは見栄えを良くするため、
フォーマルシーンでタキシードや燕尾服に合わせるシルクハットはエチケットとして、
ファッション的理由によるものも多くあります。
頭を隠す/階級を示す、といった宗教的意味で被るものもある様です。
なるほど、実用性/ファッション性/宗教性等が帽子を被る理由となっています。
私が帽子を被りたい、と想った理由は「楽」でありたいから。
髪の毛が上手くまとまらない日や、
女性であればお化粧をしたくないお出かけのタイミングに、
さらっと被れば外出が出来て、
その装いが品あるものであれば尚ありがたい。
そんな帽子が欲しい。
今年、共にシャツを展開したSUÉSADAデザイナー末定
さんのご紹介で知り合った帽子職人の黒川さんに相談をしました。
・髪の毛と目を覆うこと
・日常で被りやすいこと
・私たちBISHOOLの衣服と相性が良いこと
この3点を重要視したい旨を伝え、
帽子職人としての意見を伺いながら打ち合わせを重ね、
制作頂きました。
・「髪の毛と目を覆うこと」
形状は頭周りをぐるりと覆うハット型。
9cm幅のワイドブリムに設定し、深く被って頂ける高さをもたせることで、
しっかりと目まで隠れる様にデザインしています。
・「日常で被りやすいこと」
ツバに敢えてステッチを施さないことで、
フォーマルにならずリラックスした雰囲気を持たせました。
「ハット」という帽子の持つ硬いイメージを軽減し、
日常で被りやすいハットに仕上がっています。
・「私たちBISHOOLの衣服と相性が良いこと」
定番で使用し続けている「尾州」産のウールギャバジン生地を採用しました。
現在までにパンツやカットソー、シャツ、ジャケット、コート等多くの型をウールギャバジンで制作しております。
ハットとのセットアップ感覚で衣服と合わせて被って頂きたいという願いを込めています。
東京を拠点とされている帽子職人黒川さん
愛知県を拠点とする私たち
ウイルスによる県を跨ぐ移動/不要不急の外出自粛の最中、
お電話での打ち合わせと、
絵や写真の情報共有のみでサンプルを制作頂きました。
その1stサンプルがあまりにも完成度が高く、
修正無しで本生産に入っております。
私たちが本生産に入る時には、少なくとも2~3回はサンプルやディテールの見直しを行います。
1stサンプルをそのまま製品にしたことは過去を思い返しても数型しかありません。
黒川さんが私たちの衣服(雰囲気)を深くまで汲み取ってくださったからこその完成度。
初めての「帽子」というアイテム群の展開ですが、
満足度の非常に高いハットです。
10月上旬仕上がり予定。
現在、ONLINE STOREにてご予約を承っております。
私のように、帽子に「楽」を求める方にお喜び頂けましたら幸いです。