昨年の11月末、毛織物の産地である「尾州」でアンゴラ60%ウール40%の素敵な生地に出会いました。
経(タテ)糸にウールを、緯(ヨコ)糸にアンゴラを用いた立ち毛起毛仕上げの生地です。
アンゴラ繊維は幾つもの魅力を持っています。
一つは、軽く暖かいこと。
重くなりがちな冬のコートを軽く仕上げながらも十分な暖かさを持たせることが出来ます。
特に私たちBISHOOLの衣服は生地分量が多く、コートを仕立てるのに使用する生地が一般的なコートと比較しておよそ1.5~2倍となってしまいます。
もう一つは、獣毛素材の中でも繊維が長いこと。
立ち毛起毛仕上げをするには最適です。
立ち毛起毛仕上げとは、素材に対して起毛をした後に、
毛並みを起こしては毛足を丁寧に整えていく、という工程を何度も繰り返す非常に手間のかかる加工です。
この加工は、のっぺりとした表情になりがちな冬の生地に光沢感を与えます。
生地の表情(ドレープ)をデザインするBISHOOLの衣服にとって、ドレープの美しさは大切な要素です。
「軽く暖かい」
「ドレープが美しい」
アンゴラ×ウールの最高級素材を、世界に誇る高級毛織物の産地”尾州”で仕上げた生地。
冬の衣服をほとんど作り終えた時期にこちらの生地に出会ったので2020年の冬(11月頃)にアウターに仕立てる予定です。
ただ、とても素敵な生地でしたので、
縫製工場の方のお力を借りて、
少量のみではありますが先駆けて仕立てました。
こちらのコートは6着のみ。
今週末にもアンゴラウールで仕立てた別の型が仕上がる予定です。
そちらも楽しみにお待ち頂けましたら幸いです。